ヤ行〜ラ行〜ワ〜ン

ヤ〜ワ行(やゆよ・らりるれろ・わ)
 三 東 の ペ ー ジ 

 京 方 言 集

ヤ〜ワ行(やゆよ・らりるれろ・わ)

   言     葉        意    味   ・    用    例    等
 や
 ヤ  厭(いや)、 「な奴」 「んなっちゃうなあ」
 ヤーラケー  柔らかい
 ヤイノヤイノ  口数多く責め立てる様
 ヤキガマワル  年を取ったりして衰えて鈍くなる。ぼける。
 ヤクドコ  よく適した役目。「いいやくどこだねえ」
 ヤケクソ  自暴自棄 [やけくそだ、 もうどうにでもなれ」
 ヤケタオイナリサン  「焼けたお稲荷さん…でトリイが無い」を洒落て トリエが無い事
 ヤゴエ  相撲をとる際しこを踏んで、イザック見合おうとするときに発する掛け声
 ヤスク  見下げる事 「そうやすくみてもらうまいよ」
 ヤゾー  ふところ手をして着物の中で握り拳(コブシ)をつくり、肩のあたりを突き上 げる姿形 「やぞーをきめる」という
 ヤツジャ  午後、お茶を飲むこと
 ヤッカム  嫉妬する、 うらやむ。ねたむ。
 ヤッキリ  金銭上のやりくり
 ヤッサモッサ  大勢よって集ってのとりこみ、どさくさ、大騒ぎ、もめごと、騒々しい様 
 ヤットコサ  やっとの事で、ヤットコスットコとも言う、「やっとこさ出来た」
 ヤッピテ  度々(多摩地方の方言)
 ヤド  他人に対して、妻が夫のことを指していう語
 ヤドガニ  やどかり
 ヤノアサッテ   東京では、「しあさって」の次の日。明明後日の次の日。
 ヤノムネ  棟
 ヤブ  ヤブにらみを略して言う(斜視)、 転じて見当はずれな事も言う
 ヤブイリ  1月と7月の16日に奉公人が暇を貰って自宅に帰ること
 ヤブッカ  薮蚊(やぶか)
 ヤブク  破る
 ヤボッタイ  野暮くさい 「常はいたってやぼったい風をしている」
 ヤボテン  野暮な人
 ヤボヨー  つまらない厭な用事
 ヤマ  酒などが尽きたこと 「お酒、もうやまかい?」
 ヤマカン  詐欺、 投機的な無責任な仕事
 ヤマクジラ  猪肉
 ヤミ  符牒で三銭のこと
 ヤミワズライ  病気
 ヤヤッコシー  ややこしい、 込み入っていて面倒な事
 ヤリ  横槍、 故障
 ヤリクリ  ヤリクリサンダン 「家計の不足分を工夫して都合をつけること」
 ヤンチャ  子供のわがまま勝手なこと、 「やんちゃを言っちゃいけません」
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 ゆ
 ユーナリスダイ   相手の主張を通させてその通りにしてやること
 ユーメガデネー  物事が予期した通りには成功しない
 ユーヤ  湯屋(銭湯) 「ゆーやへ行ってくらー」
 ユコボシ  水こぼし
 ユビヤ  指輪
 ユメサラ  決して、後に否定が伴う 「ゆめさら浮いた心ではないけれど」
 ユロリ  炉、 囲炉裏(いろり)
 ユワエル   結ぶ 「ゆわえておいておくれ」
 ユンベ  昨夜(ゆうべ)
 
 よ
 ヨイッパリ  夜更かしをする事、 その習慣の人 「よいっぱりの朝寝坊」
 ヨクセキ  よくよく、 よっぽど 「お前がそんなに怒るのは、よくせきの事だろう」
 ヨコズッポ  横面
 ヨコッチョ  横
 ヨコットビ  横にとぶこと、 からだを低く構えて勢いよく走りだすこと
 ヨコマンガー  無理(多摩地方の方言)
 ヨジクレル  意地悪くひねくれる 「よじくれたことをいうねえ」
 ヨセカイ  世の中、境遇、主に悪い事について 「あの頃は厭なよせかいだった」
 ヨソイキ  よそへ行くこと、他出、外出の時に着る衣服、はれぎ
 ヨソイキ  改まった場合、特に改まったことば遣いや態度 
 ヨソサマ  よその家
 ヨバイボシ  流れ星(多摩地方の方言)
 ヨマンドシカカンドシ  無筆同志「どうせよまんどしかかんどしの寄合いじゃ訳がわからない」
 ヨミヤ  (ヨイミヤの転) 祭日の前夜に行う小祭。よいまつり。よいみや。
 ヨロケジマ  よろけた縞模様、 波型の縞模様
 ヨロズヤ  雑貨屋、 何事にも一通り通じた人
 ヨワイシリ  弱点
 ヨーキ  気候 「よーきさえよくなりゃ癒るんだが」
 ヨースップリ  態度
 ヨーヨー  辛うじて
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 ら
 ライ  雷
 ラク  千秋楽、演劇・相撲などの興行の最終の日 
 ラチクチモナイ  つまらない、 下らない 「一生をらくちくもなく棒にふっちゃった」
 ランサワギ  みだりに騒ぎまわる事
 
 り
 リアイ  道理、理屈 「そういうりあいをいってきかしても、分かりっこない」
 リツ  道理 「そりゃどう考えたって、りつに合わないじゃないか」
 リヒ  良いとか悪いとかの批判 「しかしお前にりひは言わない」
 リュートシタ  服装などが立派できわだっているさま。「りゅーとした身なり」
 リョーケン  考え、気持ち 「先方のりょーけんにもなってみなさい」
 リョーケン  堪忍 「もうりょーけんがならねー」
 リョーケンカタ  考え方 心のもち方 「そんなりょーけんかただからなめられるんだ」
 リョーケンダマ  考え方 「奴のりょーけんんだまが気にくわねー」
 リョーテンビン  どちらかを失っても困らないように、ふたまたをかけること
 リンリキ  人力車
 
 る
 ルスイ  留守居、留守番の事 (東京方言ともいえないが、昔はよく聞かれた)
  外出しないで家に留まって番をする役のことで、居留守ではない
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 れ
 レンゲ  散蓮華(チリレンゲ)の略、 散った蓮華の花弁に似た形の陶製の匙
 レーボーコー  礼奉公、奉公人が年季の済んだ後、報恩のために主家に留まって働くこと。置 土産「無事に年も明けて、れーぼーこーも一年勤めて」
 
 ろ
 ロクスッポ  ろくに、ろくろく 「何だ、ろくすっぽ知りもしないくせに」 
 ロハ  只」の字を片仮名のロハに分けていう語) 代金を要しないこと。無料。  ただ。(明治期から使われはじめた)
 ロハダイ  公演のベンチ ただで座れる台という洒落
 
 わ
 ワカイシ  ワカイシュとも言う 若い衆、年の若い男、若者、あんちゃん
 ワズライズカス  無遠慮な言を浴びせて相手に不快の感を抱かせる
 ワタル  処世する、 「わたる世間に鬼は無い」
 ワニグチ  大きな口、 「おちょぼぐち」の反語
 ワラジクイ  草履の紐に擦れて出来た擦り傷
 ワリコム  強談判をする
 ワル  悪党
 ワル  うちあける 「事をわって話をする」
 ワルアガキ  とても不可能な事を成し遂げようとして、無駄な努力をすること
 ワルズイ  悪推量の略。「わるずいばかりせずと浜の宿へ寄つてくんなよ」
 ワンサモンサ  混雑(多摩地方の方言)
 
 ん
 ンマ  うま、性向 「あいつとは、んまが合う」
 ンマレダチ  生まれつき
 

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