カ行

カ行 (か き く け こ)
 三 東 の ペ ー ジ 

 京 方 言 集

カ行 (か き く け こ)

   言     葉        意    味   ・    用    例    等
 か
 カーオソ  かわうそ
 カイショー  器量 「人間、それだけのかいしょーがなけりゃーね」
 カイダシ  肴屋、八百屋などが日々市場へ仕入れに行くこと
 カカリ  規模 「ごくかかりの小さい店」
 カカル  世話になる 「将来かかるあてもない息子のためにあくせくする…」
 カガミッチョ  蜥蜴(とかげ)、石竜子(多摩地方の方言)
 カクネンボ  かくれんぼ
 カケダシ  なりたて、新米 職業についたばかりの未熟な者
 カケッパシ  破片 「瓦のかけっぱし」「煎餅のかけっぱし
 カケラ  破片
 カシップチ  河のふち
 カジカム   冷えて利かなくなる 「手がかじかんで字が書けない」
 カジリツク  抱きつく
 カタイッポー    片方 カタッポーともいう
 カタシ  片足、 履き物の片一方
 カタッポー  片方
 カタッキシ  カラッキシの訛り
 カタヲイレル  かばって世話をする
 カタチンバ  不揃い
 ガチャガチャ  クツワムシ
 カックラウ  食う、飲む
 カッケス  かき消す
 カッコ  下駄
 カッツァラウ  さらう、奪う
 カツブシ  鰹節
 カナカナ  ひぐらし(セミの一種)
 カナコーリ  冷たい形容だけに使う 「おお冷たい、かなっこーりみたいな手だ」
 カナボーヒキ  些細な事をおおげさに触れまわる人。隣近所の噂をして歩く人
 カミーサン  髪結い 「かみーさんに行ってくるよ」
 カミスリ  剃刀(かみそり)
 カミドコ  髪結い床屋
 カメノコ  亀
 カメノゾキノテノグイ  一体にごく薄く染めた浅黄の手拭 「ちょっと覗かせただけ」の意味
 カラゲル  紐などで縛る、 尻はしょりをする
 カラス  烏金、高利貸しの貸し金
 カラッキシ  全然、後に否定を伴う 「からっきし駄目な奴」
 ガラッパチ  少しも飾り気がなく、物を言ったりしたりする人
 カラヤカン  無毛頭(多摩地方の方言)
 カワキリ  最初にすえる灸(キユウ)、転じて物事のしはじめ。てはじめ。初手(シヨテ)
 カンカン  髪 「かんかんゆう」
 カンノシ  神主(かんぬし)
 カンマース  掻き回す
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 き
 キアイ  気性、気前
 キアイ  空模様 「曇ってて、時雨れそうなきあいだね」
 キオイタツ  いきりたつ
 キヲタテル  気を揉む
 キヲトース  気をきかせる
 キガイー  のん気な 「そんな気のいい事を言ったって切りがないぜ」
 キカナイ     承知しない、 ただではおかない 「忘れるときかないよ」
 キカナイ  子供の騒ぎまわったり、親の命令に従わなかったりする性質
 キガナイ  興味を持たない、望まない
 キゲンケー  気の変わりやすい人(多摩地方の方言)
 キザ  服装・態度・行動などが気取っていて、人に不快や反感を感じさせる事
 キサジ  虱(しらみ)の卵(多摩地方の方言)
 キショク  気分、気味 「きしょくが悪いじゃないか」
 キセロ  煙管(きせる)
 ギッチョ  左利き 「ぎっちょで鉛筆を削ってた」
 キソ  紫蘇(しそ)、チソとも言う
 キノドク  他人の苦痛・難儀についてともに心配すること、 心を痛め苦しむ事 
 キビ  気味 「いいきびだ」「きびが悪いな」
 キビショ  急須(きゅーす) 「急焼」の唐音の転
 キモッタマ  きもだま、気力、胆力、きもだましい、「きもったまが大きい」
 キリ  切れ 漬物の枚数など数えるとき 「ヒトキリ」「フタキリ」
 キリコマザク  布や紙を沢山の小片に切り刻む
 キリド  庭の入り口の戸 「切戸口」
 キリハギ  切り張り
 キレル  道を曲がる 「この坂を降りたら、右へきれて三軒目の家です」
 キレードコ  美人連
 キンタマヒバチ  猫火鉢(多摩地方の方言)
 キンノ  昨日(きのう)
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 く
 クー  受ける、行きあたる 「肘鉄砲をくー」 「また留守をくった
 クー  無意識な有り様 「今日は時間のたつのがくーだった」
 グータラベー  意気地なし、しまりのない人
 クイアイ  関係
 クイツブシ  収入を得ることも出来ず、家事の役にもたたない家族
 クサレアウ  男と女とが不純な関係を結ぶ
 グショヌレ  着物などが中まで通る程濡れていること
 クスネル  人のものをごまかして我が物にする 「主人の金をくすねる
 クスボル  くすぶる
 クタブレル  くたびれる
 クチー  満腹な 「お腹がくちー
 クチガスッパクナル  同じ言葉を幾度も繰り返すさまにいう、 口を酸っぱくする。
 クチベロ  唇
 クッツク  付着する、 後につき従う、 男と女が関係する
 クビククリ  縊死者(いし) 自分で首をつって死んだ人
 クビッタケ  ぞっこん惚れ込むこと
 クビッタマ  頸(くび) 「くびったまへ食らい付いてやらあ」
 クビッピキ  向き合った二人が輪にした紐をくびにかけてひっぱり合い、引き寄せら れた方を負けとするもの。
 クライツク  犬などが噛み付くこと
 クラウ  酒を飲む
 クラワス  「げんこつをくらわす」 「くらわす」だけで殴りつけるの意味になる
 クリカラモンモン  背に彫り付けた倶梨伽羅の刺青 転じて派手な刺青を呼ぶ
 グリグリ  リンパ腺腫れ
 グレル  今までまともだったひとが、何かのはずみで堕落して行く
 クハバラ  桑畑(多摩地方の方言)
 クボエル  泣く(多摩地方の方言)
 クリノキババー  栗毛虫、天蚕(多摩地方の方言)
 クレル  くらむ 「金にめがくれたのか」
 クロモジ   小楊枝、つまようじ
 クロブシ  踝(くるぶし)
 クンダリ  あたりまでも 「わざわざ横浜くんだりまででかけてったのに」
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 け
 ケウ  不思議
 ケガニモ  間違っても、後に否定を伴う 「けがにもそんなことがあるもんですか」
 ケジメ  差別、区別 「口先ばっかりが多くて正直者がけじめを食うんだよ」
 ゲシナル  眠る 「げしなりませんと、いけませんそうです」
 ケサノカカー  こおろぎ(多摩地方の方言)
 ケタ  見当 「そりゃあけたがちがうぜ」
 ケタイ  気持ち 「あんまりいまいましくって、けたいが悪い」
 ケチ  小さくてみすぼらしい 「こりゃけちな机だね」
 ケチ  金品を必要以上に惜しむこと 「本当にけちなやつだ」
 ケチ  縁起が悪いこと、また、不吉の前兆 「最初からけちがつく」
 ケチクサイ  けちな 「何だけちくさい。おもいきってやっておしまいなね」
 ケツマガリ  意地悪、つむじまがり
 ケツメド  尻、肛門 「何だこの けつめど野郎」
 ケッコー  相当(いい意味で)
 ケッコー  ありがとう、 十分
 ケッコー  不用(いりません)
 ケツマズク  躓く(つまずく)
 ケビライ  そぶり、様子、けはい 「そんなけびらいは露ほどもなかったのに」
 ケブ  煙
 ケブ  不思議
 ケロケロト  急病が良くなった様子「うちい帰ったら直ぐけろけろと治っちまって…」
 ケン  顔面にある棘、凄味 「あの人けんのある顔だからね」
 ゲン  効験、効き目、「はや揚屋にはげんを見せて手たたきても返事せず」
 ゲン  縁起、前兆 「げんがいい」
 ケンカッパヤイ  何かというとすぐ喧嘩を始める気性である。 けんかばやい
 ゲンコ  拳骨(げんこつ)
 ゲンマン  指切り 子供などが約束のしるしとして小指を曲げてひっかけ合うこと
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 こ
 コーコ  漬物
 コーモリ   洋傘、蝙蝠(こうもり)
 コーヤ  紺屋(紺屋) 染物屋。藍染業者をいったが、のち染物業の総称。
 コウルセー  うるさい
 コエガラ  声の感じ 「どうも聞いたことのあるこえがらだと思った」
 コエタゴ  こえ桶
 コギタネー  汚い
 コギル  細かに刻む 「値をこぎる」 値段を小刻みに安くさせる
 コケラ  魚の鱗
 ココイラキンジョ  この近所
 ココロイレ  心づくし 「今でも私はそのこころいれを覚えている」
 ココントコロ  近頃 「寒いんでここんところ一寸ご無沙汰になりました」
 コサエル  拵える(こしらえる)
 ゴシーキ  御贔屓(ごひいき)
 ゴシューギ  お祝い、お祝いの儀式、お祝いのことば、心づけの包み金
 ゴショースル  不承する 「ね、ごしょうしておくれよ、いいじゃないか」
 ゴショーラク  のん気者
 コシガキレナイ  大成の域に達してない 「若いからこしがきれてないのに無理はない」
 ゴシジン  ご主人
 コシラエ  服装、支度
 コジロイ  肌の白い 「色のこじろい、べっぴんさんだ」
 ゴシンサン  商家の女房 「ご新造さん」の略したもの
 ゴギンテー  風采 見かけの人柄
 コスイ  ずるい
 コソグル  くすぐる
 コゾッコ  若い男をののしって言う、 小僧ッ子
 ゴタクサ  ごたごた、どさくさ
 コダワリ  因縁、言いがかり 「こだわりをつける」
 ゴツイ  固い、こわい、ごつごつしてる 「この羽織は木綿だからごついね」
 ゴッツォ  ご馳走
 コッパ  木の削り屑、たきつけに使う薪屋で売っている商品
 コッパイ  だめ、めちゃくちゃ 「らりこっぱい」とも言う
 コッパゲンカ  くだらない喧嘩
 コッピドイ  ひどい
 ゴテル  だだをこねる、ごてごていう、もめる
 コト  困った事、大変な事 「後になって分かったらことだぜ」
 コナイダ  このあいだ
 コナイダウチ  このあいだ中
 コナカラ  二合半、半分の半分、四半分 酒の一升の四半分、二合五勺の称。
 コビッチイ  細かい、小さい(多摩地方の方言)
 コブ  昆布(こんぶ)
 ゴフジョー  ご不浄、便所、はばかり
 コボレモノ  妊娠 「こぼれものを抱えているんで、何時こぼれるかわからない」
 コマッチャクレル  生意気な、早熟
 コマモノヤ  嘔吐、「こまものやをひろげる」 
 ゴミタメ  塵芥捨て場
 コミツナ  「こみつなこと」といえば、詳細な内輪の事情
 コメカシオケ  米を研ぐ桶
 コメツキバッタ  腰の低い人の悪口 
 コロ  豚の子(多摩地方の方言)
 コロアイ  適当、手ごろ、程の良い
 コロガキ  干し柿
 コロコロ  大いに喜ぶ様 「娘に愛想よくされて、おふっくろはころころだ」
 コワラシー  恐ろしげな
 コンコンチキ  狐
 コンジョウッポネ  根性を強めていう語
 ゴンツク  酒の五合をいう
 コンニチサマ  太陽 「毎日遊んでばかりいちゃこんにちさまにすまない」
 コンジョマガリ  意地悪
 コンリンナラク  とことんまで、金輪際、「今度という今度はこんりんならく別れるんだ」
 

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